契約書の本体(約款)は多くの物件で共通ですが、物件ごとに違うのは「特約」です。不利な条件はたいてい特約に書かれています。署名前に特約だけは必ず目を通してください。
チェックすべき特約の例
- ハウスクリーニング代の借主負担(金額の定めがあるか)
- 退去時の鍵交換代・消毒代の負担
- 短期解約違約金(入居から1年未満の解約で家賃○か月分など)
- 小修繕(電球・パッキン等)の借主負担の範囲
- 更新料・更新事務手数料の金額
- ペット飼育時の敷金追加や原状回復の範囲
特約が「有効」になる条件
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、通常の使用による損耗(通常損耗)を借主負担とする特約は、原則として次のような条件を満たす場合に有効と解釈されています。
- 特約の必要性があり、内容が暴利的でないこと
- 借主が、通常損耗は本来貸主負担であることを認識していること
- 借主が特約による負担について明確に意思表示していること
また、消費者契約法により、事業者の責任を不当に免除する条項や、消費者の利益を一方的に害する条項は無効とされます。説明のないまま一方的に不利な条項は、その有効性が問題になり得ます。
質問の仕方
- 「この特約は、退去時にいくらかかる約束ですか」と金額ベースで確認する
- 「通常損耗も私の負担ですか」と、ガイドラインとの関係を聞く
- 疑問点は契約前にメールや書面で残す(口頭だけにしない)
よくある質問
Q. 特約の削除を交渉できますか?
交渉自体は可能ですが、貸主が応じるかは物件次第です。人気物件では難しい一方、長期間空室の物件では相談の余地があることもあります。
監修: 現役不動産エージェント(東京23区の賃貸担当)。本記事は国土交通省ガイドライン・消費者契約法に基づく一般的な説明です。